8月20日

 

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友達と最近観た映画の話をしたら楽しくて、本来こうであったはずなのにと思った。皮膚を隔てた外にはどこにも存在しない、核融合し熱と光を放った自分だけの解釈を誰かと共有し、自分の限界を超えた解釈になるほどと思う。ひたすらに観た映画の感想を虚空へ気化させる作業に励むだけでは絶対に得ることのできない満足感。違いすら楽しい。違いこそ面白い。本来こうであったはずなのに。会ったこともない知らない誰かのネタバレに呑まれる。気づいたら、胃の中。知らない誰かの胃酸で体は溶け始め、腸で吸収されやすい形にどんどんと簡素に、味も感触も香りも鮮やかさも凄まじい速さで失われてゆく。どこまでも伸びる皮膚の下に蓄えられてしまう感覚。気化したネタバレを吸い込み体を呑まれる。その逃れられられなさ。ままならなさ。

ここじゃないどこかへ