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仕事先の人から、自分のことを図書館で見かけたという話を人づてに聞いたよと声をかけられて、自分が図書館に居る時って大概、窓口で本差し出して、貸してくださいって言葉がかろうじて声になる状態であるから(自分と向き合うことに精一杯で、そこに他者が介入する余地がないから)、その余裕のない状態を顔を見知った相手に見られていたことに恥ずかしくなった。

関係性とか気持ちをお金に置き換えられてしまうと自分は困惑する。昔観た映画で、他者の心理的な情景の広がりに自分はどうしたって追いつけないから、だから分かりやすく手で掴むことのできるお金というものでやり取りをする(意訳)といったようなセリフがあったけど、自分もメガネ屋に行ってメガネをタダで修理してもらったりすると気持ちがまごつくからわかんなくないけど、あなたと私の関係が、あなたの私に対する気持ちが、お金に置換されてしまったことに寂しくて悲しくなる。追いつこうとしなくていいからただあなたがあなたでいたらそれで 変わってしまったその残骸を握りしめてそう思う。