自分は本が好きかというと別にそんなことはない。目が滑ってしまって同じ行を何度も読むし、分からない言葉をいちいち調べるのは手間がかかるし、意識と物語を常に連結させておく集中力がない。中学生の頃、ハリーポッターのあの分厚い単行本を読んでる同級生が信じられなかった。自分にとっては修行に近いものであると今でも感じる。私は家ではほとんど本を読まない。家、受験生なんかで溢れかえっている図書館、カフェチェーン店、職場、ショッピングモールのフードコート、耐えられない。だけど、苦労しながらでも読みたい本がある。なぜか、それは本を読んでいるとマジと出会えることがあるから。触れて、交わうことができる。あなたの魂がわかる。そういう瞬間が私は何より嬉しい。生きていてよかったと思える。だから本を読みたい。
【本紹介コーナー】
水野しず 正直個性論
ソノダノア ケンカじょうとういつでもそばに
私の身体を生きる
角田光代 ロック母 -ゆうべの神様-